ドーピング検査とは?禁止なのはなぜ? (薬剤師監修)
スポーツの大会などでドーピング検査に引っかかり失格となりました。
などのニュースを目にする事があるかと思います。
そもそもドーピングは何故禁止なのか。
どんな検査があるのか。
禁止薬物はどのようなものがあるかをわかりやすく述べたいと思います。
ドーピングが禁止なのは何故か
ドーピングが禁止なのは危険な薬物を使用し使用者の肉体、精神に重大な副作用を残す事が大きな理由であると言えます。
ドーピングをする事で肉体や精神状態を限界値以上に働かす事になります。
その反動で肉体、精神がボロボロになってしまうのです。
ドーピングを繰り返す事で、満足な日常生活を送れない、最悪の場合、死んでしまう事があります。
そのような危険を踏まえドーピングは禁止されています。
ドーピングの歴史は古く古代ローマ時代からあります。
戦時中の兵士の士気を高める為に1種の興奮剤を用いていた記録があります。
スポーツの分野でドーピングを使用したものとして1865年にアムステル運河水泳競技大会で使用した選手がいたのが、ドーピング使用で残る最も古い記録であると言われています。
ドーピングの転機となったのが第1次世界大戦後の事です。
戦時中に開発された医薬品がドーピングに用いられていきます。
興奮剤として用いられていたアンフェタミンなどの様々な医薬品がスポーツ競技に使われ始めます。
ドーピングにより競技者が死亡する事案が出たりしてきます。
スポーツ連盟はドーピングを禁止していくようになります。
しかしながらドーピングの方法は年々、巧妙化されていきます。
検査をすり抜けていったり、検査に該当しない医薬品の開発、医薬品以外のドーピングを行うようになります。
中には国ぐるみでドーピングを行うようになるなどドーピングの方法は酷くなっていっています。
ドーピング検査とはどのようなものがあるのか?
ドーピング検査は抜き打ち検査が主です。
競技前、競技中、競技後にドーピング検査員が対象者へ抜き打ちで行います。
検査方法は尿検査、血液検査などがあります。
尿検査は対象者と共に検査員の立会いのもと、目の前で採尿を行います。
尿のすり替えでドーピングを逃れようとした人がいる為に目の前で採尿を行うようになった経緯があります。
その場で検査結果がわかる簡易的な検査と更に精密に行う検査があります。
オリンピックなどで○○選手のメダルが剥奪されましたというニュースがあった場合、簡易検査をすり抜けたドーピングが精密検査で陽性であったという場合があります。
またドーピングの中には今の検査に引っかからないようなものもあるかもしれません。
ドーピングに引っかかる禁止薬物や手法には何があるのか?
ドーピングに引っかかる禁止薬物や手法はどのような薬物があるのか?
大まかに
・パフォーマンスや集中力を高める為の医薬品
・筋肉量や運動能力を高める医薬品
・血液中の赤血球を増やす為の血液の輸血
・禁止薬物の体外へ排出する為に用いる医薬品
などがあります。
医薬品には様々な種類があり
・覚せい剤の様な興奮作用のある医薬品
・ステロイドの様に筋肉量増やす医薬品
・心拍数を上げる為に用いる心臓系の医薬品
・医薬品を体外に排出するのに用いる利尿剤
など多岐にわたります。
覚せい剤の様にそもそも法律に引っかかる様な医薬品、ドーピング用に作られた医薬品などはあからさまです。
が、ドーピングの禁止薬物の中にはドラッグストアなどで売ってる様な風邪薬にも禁止薬物が含まれているケースがあります。
アスリートは競技に臨む前に必ず使用している医薬品を事前に申告しています。
事前申告していればドーピング検査に引っかかっても問題ないとなる場合もあります。
中には意図しないでドーピング検査に引っかかってしまうケースもあります。
コンタクトレンズの洗浄液に含まれている成分が体内にたまたま入り、ドーピング検査に引っかかり失格してしまったというケースです。
このような意図しない事もあるのです。
ドーピング検査はオリンピックの様な大規模な大会ばかりでなく、市民参加型のそこそこ規模のある大会でもドーピング検査があります。
大学のスポーツ大会、2部の大会などでも抜き打ちで行われたりしています。
また、ドーピング検査の対象となる競技者は競技を行なっている選手だけでなく、ベンチで競技に出ていない選手も対象になったりします。
大会前などに体調が悪く病院にかかる場合やドラッグストアなどで医薬品を購入する場合は競技者である旨を医療関係者に伝えた方が良いです。
まとめ
ドーピングは肉体や精神に重大な副作用を残します。
ドーピング後に日常生活を送れない、最悪の場合、死に至る事があります。
ドーピングには様々なものがあり日々、増えていってます。
またそれを見逃さないように検査もより厳しくなっています。
ベンチだから風邪薬飲んだけど大丈夫と思っていても抜き打ちでドーピング検査に引っかかる場合があります。
競技者は必ず、事前申告をする、医療機関に行く場合は競技者である旨を伝えるべきです。