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予防接種のワクチンってどのようなものなの?その効果は?(薬剤師監修)

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インフルエンザや麻疹、BCGなど予防接種を受けた事があるかと思います。

そもそも予防接種を受ける時に使われるワクチンとはどのようなものなのか?

その安全性はどうなのか?

ワクチンについて述べていきたいと思います。

 

 

予防接種って何のためにするの?

予防接種は危険な感染症の症状が発症しないようにする保険と考えて下さい。

体内には身体を危険から守る免疫という防御システムがあります。

身体の中に危険な物質が入り込むとこの免疫が働き、原因となった物質を除去します。

そして免疫は1度除去した物質の情報を蓄え、再び侵入してきた原因物質に対して速やかに除去できるように備えます。

・原因物質を抗原

・原因物質の情報を備えた免疫を抗体

と呼びます。

このような免疫の働きを抗原抗体反応と呼びます。

抗体が体内で作られると抗原に対して免疫が速やかに反応し、体内から除去しやすくなるという事です。

予防接種で用いられるワクチンは体内に抗体を作らせる事を目的としています。

1度抗体が体内で作られると抗体の種類にもよりますが生涯、抗体を持ち続けれたりします。

ワクチンの目的はこの抗体を作る事が目的であります。

ワクチンには対象となる感染症

 

・毒素が全く無いもの

・毒素が極力抑えられているもの

・パーツのみ といったもの

 

に分けられます。

どれも体内に入り込めば免疫系が働き、抗体が作られます。

予防接種の対象となる感染症はどれも危険な感染症であります。

死亡率が高い、発症した時の症状が重い、感染力が強いなどの特徴があります。

そんな危険な感染症に対して前もって準備をし、症状が発症を食い止める目的でワクチンがあるのです。

ワクチンは18世紀末にイギリスで開発されました。

当時、天然痘という恐ろしい感染症が世界中で流行していました。

しかし、その天然痘にかかりにくい人がいたのです。

1度天然痘に感染した人は天然痘に再度、かからない事が判明したのです。

そこで天然痘の毒素を弱めたモノを人に投与するという手法が取られました。

これがワクチンの始まりとなります。

結果、天然痘は1980年に根絶宣言が出されるまでになりました。

補足になりますが、花粉症やアレルギー反応にはこの抗原抗体反応によるものもあります。

花粉やアレルギーの原因物質が体内に入ると異物と認識し排除します。

その排除に関わるのが免疫系です。

原因物質に対し抗体が作られる事があります。

この抗体が作られない時にアレルギー反応が起きたり 逆に抗体が作られた事で免疫系がより過剰に反応してより酷いアレルギー反応が起きてしまう事があります。

このより酷いアレルギー反応の1つがハチに刺された時に起きるアナフィラキシー・ショックというものです。

1度目はハチ刺されは問題なかったが、2度目に刺されると危ないというやつです。

1度目は抗体が出来るだけですが、2度目に刺された時、この抗体がある事で過剰に免疫系が働いてしまう事があるのです。

ワクチンの短所やデメリット

そんなワクチンにも短所やデメリットがあります。

① 毒素を無くせない、弱体化出来ない感染症

毒素を無くせない、弱体化出来ない様な感染症はワクチンが製造できません。

感染症の原因となるウィルスや細菌、原虫は目に見えないものです。

それらの感染症の原因となるモノの構造や仕組みはある程度、解析されていますが、それらをワクチンへ結びつけることは難しい事なのです。

どこをどう抽出出来るのか技術的にも難しいものがあります。

感染症の型が毎回変化する

インフルエンザウィルスは毎年、その構造が変化しています。

抗体を作っても次の年にはその抗体をすり抜ける構造に変化してしまいます。

インフルエンザのワクチンはある程度の型で作られていますが、その作られた型とは異なる型が発生してしまう事があるのです。

③ 抗体が働かない場所で起こる感染症

抗体は主に血液中にあります。

その血液以外の場所で発生する感染症にはワクチンは作れません。

例えば、ノロウィルス、ピロリ菌やO-157の様な胃腸内で発症する感染症などです。

これらは胃腸内で悪さをする奴らでワクチンを作ったとしても効果が無いのです。

④ 免疫系統が低下している患者

医薬品や病気などによって免疫の働きが低下している患者は抗体が作れない事がある為、ワクチンの投与が出来ないケースがあります。

ワクチンによってはワクチン自体でその感染症が発症してしまう事があります。

予防接種を受ける時は必ず、現在の治療している疾患や使用中の医薬品を前もって伝える様にして下さい。

予防接種は出来る限り受けた方が良いです。

ある期間、風疹麻疹の混合ワクチンが強制接種であったのが任意接種になった時期がありました。

対象者は主に小児でした。

その小児が成人になった時、麻疹が流行しました。

成人の麻疹は子供の麻疹に比べ重症化しやすい危険な病気でもあります。

例え任意の予防接種であったとしても恐ろしい感染症から身を守る為であるなら予防接種は受けた方が良いです。

まとめ

ワクチンは恐ろしい感染症を未然に防ぐ頼もしいやつです。

今の健康的な生活を送れているのはワクチンのおかげと言えるかもしれません。

1つワクチンと社会のお話 先日、子宮頸癌の原因となるウイルス(ヒトパピローマウィルス)の予防接種に関するデータが公表されました。

子宮頸癌の予防接種を受けたか受けていないかで副作用を含めた子宮頸癌のリスクの差についてのデータです。

結論から言うと子宮頸癌の予防接種の副作用は発生率は低く、子宮頸癌発症の予防の為、予防接種を受けるべきとの事でした。

今、現在、予防接種を受けたことによる副作用で裁判が行われています。

当時、その予防接種によると言われた副作用の報道が行われていました。

危険な予防接種として大々的に報道されていました。

予防接種にはそれなりのリスクがあります。

風邪薬や痛み止めの薬様に副作用は発生します。

しかし、予防接種の副作用の報道は異常でした。

確かに副作用が起こることは重大な事です。

国やしかるべき機関で検査された医薬品やワクチンは厳しい基準を元に世の中に出回っています。

子宮頸癌の予防接種は副作用が出やすい、危険だ そんな風に感じる報道でした。

子宮頸癌の予防接種で副作用が起こる確率は一般的な医薬品の重い副作用の出る確率とほぼ変わらないものです。

それを副作用が出やすいと報道する事に些か疑問を感じました。

予防接種によって病気が減る、その事に対して不快な思いをしている何かがあるのではと思ってしまいます。

ワクチンで人々の命が救われています。

発展途上国の貧しい人々は感染症に怯えながら生活しています。

その感染症を予防できるワクチン それらについて少しでも理解していただければ幸いです。