減塩が必要!と言われている世の中!逆に塩分不足になるとどうなるの?(薬剤師監修)
生活習慣病の1つ高血圧。
その主な原因は塩分の取り過ぎによるものです。
その為か、今の日本では減塩商品や塩分を取り過ぎない様に!と連日、テレビやSNSで商品の紹介や特集が組まれています。
しかし、塩分を取り過ぎると悪い事は分かりますが、逆に塩分が不足するとどうなるのか。
塩分不足で起きる危険について述べていきたいと思います。
塩分不足は実は危険!適量を心がけましょう
人の体液は塩水です。 体液100ml中に塩(塩化ナトリウム)が0.9g溶けています。
0.9g/100mlの状態を生理食塩水といい人が生活していく上で重要な値になります。
体内に塩分が多くなったり水分が少なくなるなどすると生理食塩水の状態に人の体は戻ろうとします。
喉の渇きを訴え、水分を要求したり、尿量を増やしトイレの回数が増えたりします。
塩分が体内で多くなると余分な塩分を外に出そうと腎臓系の働きが活発になります。
この時、腎臓からは血圧をあげるようにと指令が出ます。
その為、血圧が高くなり高血圧になります。
逆に体内の塩分量が少なくなるとこの腎臓からの働きが抑えられて血圧が低くなりやすくなります。
低血圧の状態です。
生理食塩水の状態から薄まった状態になるので水分を外に出そうと働きます。
そうするとトイレの回数が増えます。
体内で塩分はナトリウムイオンと塩素イオンに分かれます。
ナトリウムイオンは+ 塩素イオンは- それぞれの電極を持っています。
この電極が他のイオンと複雑に絡み合い体内のバランスを保っているのです。
塩分が不足するとナトリウムイオンも不足状態になり体内の電解質のバランスに様々な異常をきたします。
塩分が不足するとどうなるの?
まず、心臓の働きが上手くいかなくなります。
心臓が正常に働く時、電解質の電極の差を利用しています。
心臓以外の臓器、筋肉、神経系も電極の差を利用し、活動しています。
最悪、心臓は止まったりします。
筋肉では電解質のバランスが崩れると、痙攣や倦怠感などの症状が出ます。
神経系では不眠や意識障害が起こります。
それ以外には食欲不振や吐き気などの消化器系の症状も出ます。
塩分不足に近いのは熱中症や脱水症状の時です。
塩分不足は腎臓の機能が低下していたり、食品自体で塩分や電解質がうまく取れていない、カリウムを多く含む食品を取り過ぎているという事が原因になります。
心臓や腎臓の疾患の方が入院し、病院などで栄養指導を栄養士から受ける時に野菜、特に青物系の1日の摂取量が決められたりします。
青物系の野菜にはカリウムが多く含まれています。
高血圧気味の方に野菜を勧めるのにはこのカリウムを多く取ってもらいたいというのもあります。
カリウムが体内に摂取されるとその分だけナトリウムがバランスを取ろうとなり、ナトリウムが体外に排出されやすくなります。
その結果、血圧が改善されていきます。
カリウムが体内で高いと尿量が増えます。
尿量が増えるとまた電解質のバランスが悪くなりやすくなり、心臓や腎臓に更なる負担や症状の悪化を引き起こしてしまいます。
まとめ
普段の生活では塩分不足は起こりにくいです。
食品や飲料には塩分は含まれている事が多いので食事や水分を行っていれば塩分不足はまず起きないです。
ただ、熱中症や脱水症状、腎臓系に異常がある時は塩分不足になりやすいです。
夏場にかけて熱中症や脱水症状になりやすい時期でもあります。
小まめな水分、塩分補給を心がけましょう。