お腹の調子が悪い。あなたの腸内細菌は大丈夫?(薬剤師監修)
下痢が続く、便秘が改善されない…
お腹の調子が悪い時、それは腸内細菌のバランスが崩れてしまっているのかもしれません。
腸内細菌ってお腹の調子を整えるだけでなく、身体に取っても大事な存在なのです。
腸内細菌って実は凄い。身体の調子を整えています。
ヒトの腸内細菌は身体の体調を整えています。
主な働きとして
・ビタミン類の合成
・感染症の予防
・食物繊維の消化吸収の手助け
をしています。
腸内細菌はビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンK、葉酸、パントテン酸、ビオチンなどのビタミン類を合成しています。
これらのビタミン類は食品などでも摂取が出来ますが、不足しかけた時に腸内細菌が生成する事でその不足分を補えます。
腸内細菌には様々な種類がいます。それらの腸内細菌は腸内で住み分けをしており、バランスよく分布しています。
その縄張りに他の菌が侵入すると侵入者を排除します。
その働きにより感染症の予防に繋がっているのです。
食物繊維はそのほとんどが消化吸収されない糖類の事です。
草食動物は食物繊維を分解し体内へ糖として吸収しています。
ヒトの体では1部の食物繊維、セルロースが腸内細菌によって分解され吸収されていきます。
でんぷんなどの糖類に比べてセルロースはエネルギーが低いですがエネルギー源としては重要な働きがあります。
腸内細菌の主な栄養源は糖質です。
特に日本人の腸内細菌は炭水化物のような糖質や海藻類が好物です。
古くから日本人はお米や海藻を食べていました。
その結果、日本人の腸内細菌は糖質や海藻類を分解し、エネルギー源となるようになったのです。
ちなみに他国の人の腸内細菌は海藻をあまり分解が出来ないそうです。
現代の日本人は食生活が肉食が多くなった欧米化の食生活に変化した為、腸内細菌の活動が弱まり、肥満や便秘といった症状が出やすくなっているのかもしれません。
腸内細菌はお腹の調節者
腸内細菌のバランスが崩れてしまうと下痢や便秘になりやすくなります。
抗生物質などの腸内細菌を死滅させてしまうきっかけがあると下痢になりやすくなります。
腸内細菌の死滅による下痢はのちに恐ろしい事を引き起こすことがあります。
腸内細菌は20%の善玉菌と呼ばれる身体に有益な腸内細菌と人体に不利益な10%の悪玉菌、残りの70%は人畜無害な日和見菌がバランスを保ちながら共存しています。
風邪や感染症などで抗生物質を服用すると腸内細菌を善玉菌、悪玉菌、日和見菌のすべての菌が死滅する事があります。
死滅する事で腸内のバランスが崩れて下痢が起こる事があります。
死滅後、腸内細菌が徐々に復活するのですが、ここで悪玉菌の復活が善玉菌や日和見菌よりも早いと悪玉菌による感染症や新たな病原体による感染症が起きてしまう可能性があるのです。
これを菌交代症と言います。
抗生物質の服用による下痢が止まらないときは病院でお医者さんに診てもらうべきです。
便秘も腸内細菌の活動が上手くいっていない時に生じる可能性があります。
食物繊維を取ると便秘には良いというのには食物繊維がその細かい繊維で腸内を掃除してくれる働きと腸内細菌の栄養になる事で便秘が改善しやすくなる為です。
腸内細菌の働きが活発になると腸の働きも活発になります。
そうなる事で便が体外に出やすくなり便秘になりにくくなります。
まとめ
腸内細菌は腸内から我々の体を見守ってくれています。
そんな腸内細菌をもっと労ってみてはどうでしょうか?
糖分取り過ぎは体に良くないので腸内細菌にも、我々の体にも優しい食物繊維がたくさんの食事を取ってみては?